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党首討論で立憲民主党の野田佳彦代表の質問に答える石破茂首相=2025年5月21日午後3時9分、国会内、友永翔大撮影
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 年金関連法案をめぐり、立憲民主党の野田佳彦代表は21日の党首討論で、政府が当初案から除外した基礎年金の底上げ策の復活を求め、石破茂首相に修正協議を呼びかけた。首相は「真剣にやらせていただく」と述べ、協議に応じる考えを示した。野田氏が「あんパンのあん」と指摘する基礎年金の底上げ策が修正の焦点となる。

 年金法案には、当初、目減りが続く基礎年金の底上げ策が盛り込まれていたものの、自民内の異論でこの部分が削られた。これについて野田氏は、「あんこが入っていないあんパンを出してきた。参院選での批判を恐れたのではないか」と迫った。

 この指摘に石破氏が反論。法案には、パートなどの短時間労働者らが厚生年金への加入で社会保険料が生じる年収「106万円の壁」の撤廃も盛り込んでいることなどに触れて、「基礎年金の底上げについて、党の中で侃々諤々(かんかんがくがく)議論した。あんが抜けているというが、この法案はそれ(底上げ策)だけが目的ではない」と述べた。

 法案をめぐっては、立憲が20日、「あん」の部分とされる基礎年金の底上げ策を盛り込んだ修正案の骨子を自民党に提示した。これを踏まえ、野田氏は党首討論の場で「比較第1党(自民)と第2党(立憲)の間で、修正の協議を」と呼びかけた。首相はこれに応じる意向を示し、「就職氷河期世代の方々の思いを正面から受け止めて、実りある議論をさせていただきたい」と述べた。

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